2017年に“慢性炎症について”というブログをアップしたことがあったため、慢性炎症が大きな問題であることは認識していました。一方、前回のブログは“口腔内細菌との闘い”でしたが、歯周病の恐ろしさを理解したことで、今一度、慢性炎症について勉強したいと思いました。
ストレスをライターの「火」だとすれば、「消火できないボヤ」のような状態が慢性炎症です。従って、不健康の確信犯は慢性炎症といえるかもしれません。そしてその慢性炎症という「消火できないボヤ」の油となっている大きな要因が、「コゲ:AGE(終末糖化産物)」と「サビ:活性酸素」であり、起きている問題は、細胞や血管の劣化です。
著者:今井一彰
初版発行:2022年11月
出版:(株)飛鳥社
はじめに 診察に訪れる患者さんの98%にあった「炎症」
第1章 「慢性炎症」が老化と病気をつくる
●「老化」や「病気」は炎症がつくり出す
●すぐに治る炎症と体をいじめ続ける炎症
●慢性炎症は「静かなる殺人者(サイレントキラー)」
●全身のあちこちに病気をうつす慢性炎症
●コゲ、サビ、肥満は慢性炎症と大の仲良し
●いつまでも若い人には炎症が少ない
第2章 「食べもの」で炎症ゼロ
●炎症ゼロ習慣1…「腹八分目」は長寿遺伝子をオンにする
●炎症ゼロ習慣2…「1日のうち12時間」は何も食べない
●炎症ゼロ習慣3…食事ひとくちで「30回噛む」
●炎症ゼロ習慣4…「やわらかい食べもの」が肥満のもとになる
●炎症ゼロ習慣5…「ごはんは最後」を心がける
●炎症ゼロ習慣6…間食は「噛むおやつ」で決まり!
●炎症ゼロ習慣7…「小麦粉」が腸を傷つける
●炎症ゼロ習慣8…「牛乳」が健康によいとは限らない
●炎症ゼロ習慣9…腸から元気になる「骨スープ」
●炎症ゼロ習慣10…すぐに「甘い」と感じるものは避ける
●炎症ゼロ習慣11…ビタミンのために「くだもの」を食べすぎない
●炎症ゼロ習慣12…「低CIフード」で血糖値をおだやかに
●炎症ゼロ習慣13…日本型の「地中海食」は注意が必要!
●炎症ゼロ習慣14…炎症の原因をお掃除する「ポリフェノール」
●炎症ゼロ習慣15…健康スパイスの王様「ターメリック」
●炎症ゼロ習慣16…毎日「発酵したもの」を取り入れる
●炎症ゼロ習慣17…「青魚の脂」は健康なアブラ
第3章 「呼吸」で炎症ゼロ
●炎症ゼロ習慣18…万病を招く「口呼吸」をしない
●炎症ゼロ習慣19…「落ちベロ」を正しい位置に戻す
●炎症ゼロ習慣20…「あいうべ体操」で舌を鍛える
●炎症ゼロ習慣21…「鼻うがい」でフィルター効果アップ!
●炎症ゼロ習慣22…「お口の体操」で飲み込み機能アップ
●炎症ゼロ習慣23…見えない炎症を防ぐ「正しい歯みがき」
●炎症ゼロ習慣24…生活する場所の「空気」に注意
第4章 「運動」で炎症ゼロ
●炎症ゼロ習慣25…運動は最高の「抗炎症薬」
●炎症ゼロ習慣26…「座りすぎ」が寿命を縮める
●炎症ゼロ習慣27…「グリーンエクササイズ」で効果倍増!
●炎症ゼロ習慣28…短時間で効果絶大の「ゆるHIIT」
●炎症ゼロ習慣29…ふつうの散歩より効果の高い「インターバル速歩」
●炎症ゼロ習慣30…筋トレの王様「スクワット」を取り入れる
第5章 「睡眠」で炎症ゼロ
●炎症ゼロ習慣31…「睡眠不足」こそが万病のもと
●炎症ゼロ習慣32…「7時間睡眠」が体を強くする
●炎症ゼロ習慣33…毎日15~20分の「パワーナップ」で脳をリセット
●炎症ゼロ習慣34…「香り」が眠りの深さを決める
●炎症ゼロ習慣35…「雑音」が安眠を誘う
●炎症ゼロ習慣36…悪夢を見せる犯人は「靴下」?
●炎症ゼロ習慣37…「スマホ」は寝室に置かない
●炎症ゼロ習慣38…「マウステープ」で睡眠の質がアップ
●炎症ゼロ習慣39…どうしても眠れないなら「やさしい睡眠薬」
第6章 「メンタル強化」で炎症ゼロ
●炎症ゼロ習慣40…「体のコゲ」を増やすストレスは早めに解消
●炎症ゼロ習慣41…ストレスの度合いを「見える化」する
●炎症ゼロ習慣42…タバコやお酒よりも体に悪い「孤独」
●炎症ゼロ習慣43…「病気の写真」を見ない
●炎症ゼロ習慣44…「私」と言ってはいけない
●炎症ゼロ習慣45…毎日の「3つのよいこと」で幸福度アップ
●炎症ゼロ習慣46…「スマホのストレス」から脳を解放する
●炎症ゼロ習慣47…「頭をからっぽ」にして、悩みを回避
●炎症ゼロ習慣48…「できる1割」だけに注力して、9割は手放す
●炎症ゼロ習慣49…「最悪な状況」を思い浮かべる
●炎症ゼロ習慣50…「ストレス対処法」のリストを持ち歩く
おわりに 名医よりもクスリよりも、「病気にならない」が重要
はじめに 診察に訪れる患者さんの98%にあった「炎症」
・来院患者の98%に上咽頭炎がみられる。
画像出展:「慢性上咽頭炎(大正製薬製品情報サイト)」
慢性上咽頭炎の詳しい説明が書かれています。監修されたのは今井先生です。
第1章 「慢性炎症」が老化と病気をつくる
●「老化」や「病気」は炎症がつくり出す
・炎症が続くと、細胞や血管が傷ついて劣化していくため、病気を引き起こす。
・長期化する炎症は体のどの場所でも起こる可能性がある。そして多くの病気の原因になる。
・長引く炎症は「老化」とも関係している。シミ、シワ、抜け毛、白髪の原因にもなる。
画像出展:「炎症ゼロ習慣」
画像出展:「自覚症状ない免疫の暴走 全身をむしばむ慢性炎症防ぐ(日本経済新聞)」
●すぐに治る炎症と体をいじめ続ける炎症
・急性炎症の4徴候は「発赤」、「腫脹」、「発熱」、「疼痛」である。これらは危険を知らせる役目もしている。
・急性炎症は体に侵入してきた細菌やウィルスなどの異物を退治して、傷ついた細胞を修復するための作用である。そして、細胞が修復されれば炎症は治まる。
・炎症の原因となる物質が除去できないと、いつまでもダラダラと炎症が続く。このような長引く炎症を慢性炎症という。長引けば細胞の修復が追い付かず、体の機能が低下したり失われたりする。
・慢性炎症を伴う病気の一つが歯周病である。
・風邪が治っても、喫煙、飲酒、大気汚染などにより喉の炎症を繰り返していると、炎症がくすぶり続け慢性上咽頭炎や慢性扁桃炎を引き起こす。これは同じ場所に何度も異物による刺激が加わって、何度も炎症を起こすうちに、炎症が慢性化してしまうというメカニズムである。
・コロナ後遺症も慢性炎症が関係していると考えられている。
・アトピー性皮膚炎、アレルギー疾患、関節リウマチ等の「自己免疫疾患」も慢性炎症による病気である。
●慢性炎症は「静かなる殺人者(サイレントキラー)」
・慢性炎症は火種がくすぶったままじわじわと広がるように体を蝕む。
・慢性炎症の怖さは、強い症状がないのでそのままにされることが多い。
●全身のあちこちに病気をうつす慢性炎症
・慢性炎症の怖さには、炎症が飛び火してさらに別の病気を引き起こすところである。
・炎症が起こると「サイトカイン」と言われる炎症物質が作られる。サイトカインは体に異物が侵入してきたことを知らせて、炎症を引き起こす働きがある。問題は長引くと過剰に作られてしまい、更なる炎症を促進する。サイトカインの恐ろしいところは、一カ所に留まらず、炎症でダメージを受けた血管に入り込んで全身の様々な病気の元になることがある。
・歯周病が原因で関節リウマチになる場合がある。また、糖尿病にも注意しなければならない。これはサイトカインがインスリンの働きを抑制するためである。アルツハイマー型認知症も歯周病が関係していると考えられている。これは歯周病菌によって口腔内に増えたサイトカインが脳に運ばれると、アミロイドβが増える可能性が報告されているためである。
・歯周病の慢性炎症の飛び火によってリスクが高まる病気には、動脈硬化、脳梗塞、心筋梗塞、肺炎などがあるが、慢性炎症は、すべての内蔵、器官、体のいたるところで起きている。
●コゲ、サビ、肥満は慢性炎症と大の仲良し
・慢性炎症の原因は外部からの異物だけではない。体内で作られる物質もある。1つは「体のコゲ」と呼ばれる終末糖化産物(AGE)と「体のサビ」と呼ばれる活性酸素である。
・AGEは糖とたんぱく質が結びついたものである。ホットケーキを焼いたときの茶色の部分。これはホットケーキに含まれる牛乳や卵のたんぱく質と砂糖が結びついたものである。
・AGEは老化の原因物質であり、肌のくすみ、シワやたるみはAGEによる。さらにAGEは細胞を傷つけるため、体は防御反応として炎症を起こす。これが日常化すると慢性炎症になる。重要なことは糖質を摂りすぎないこと、血糖値を急激に上げないようにすることである。
・「体のサビ」と言われているのが活性酸素である。活性酸素は呼吸によって取り込まれた酸素によって作られる。細菌やウィルスを退治するなど免疫機能にとってなくてはならない。問題は何らかの原因で活性酸素が過剰に作られると正常な細胞まで攻撃してしまい、その結果、慢性炎症につながる。
・体内には増えすぎた活性酸素を取り除く「抗酸化力」が備わっているが、加齢により低下していくので注意が必要である。活性酸素を増やす原因はストレスや紫外線などである。
・肥満が慢性炎症を引き起こす原因は、脂肪細胞が脂肪を蓄える容量には制限があり、それを超えると細胞が破壊されて白血球が活性化される。さらに肥満になると炎症を抑える物質の分泌が減少するためである。
・炎症によって作られるサイトカインなどの炎症物質は、血糖値を下げる働きのインスリンの効きを抑制するので、糖尿病になりやすくなる。さらに、作用が低下したインスリンは分泌を増やす。インスリンには脂肪を合成する酵素を活性化する働きもあるため肥満は進む。
・慢性炎症の予防には、原因となるコゲ、サビ、肥満に注意した生活をおくることが重要である。
●いつまでも若い人には炎症が少ない
・シミは慢性炎症が表皮の奥にあるメラノサイトを常に刺激するためにできる。慢性炎症は肌の張りや弾力を保つ役割のコラーゲンやエラスチンという線維状のたんぱく質を破壊する。これにより肌はたるみ、シワができる。
・肌の慢性炎症の原因は紫外線、AGE、活性酸素である。
・サルコペニアとは加齢によって筋肉量が減って、身体機能が低下した状態のことであるが、原因の1つが慢性炎症である。慢性炎症によって作られたサイトカイン(炎症性物資)は、筋肉の分解を促進させる作用がある。
・センテナリアン(100歳以上の長寿者)は慢性炎症の程度がわかる「高密度CRP」の値が圧倒的に低い。
・健康診断の項目であるCRPは、「ボヤ」のような弱い炎症の慢性炎症の有無を調べることはできない。慢性炎症の評価には高感度CRPが必要になる。
・センテナリアンのCRPは「0.03㎎/dl」程度である。これは一般的な基準値(0.3㎎/dl)の10分の1と極めて低い数値である。なお、高感度CRPの検査は保険適用外なので10,000円前後の費用がかかる。
・老化の度合いは個人差が大きいが、これは慢性炎症の度合いともいえる。
画像出展:「高感度CRP(C反応性蛋白)と大腸がん罹患との関係について(国立がん研究センター がん対策研究所)」
・高感度CRP検査:通常のCRP検査の100倍以上の感度がある。
・心筋梗塞のリスクの予測等に利用されている。
・肥満や運動不足の人でも高い値になるといわれる。
第2章 「食べもの」で炎症ゼロ
●炎症ゼロ習慣1…「腹八分目」は長寿遺伝子をオンにする
・食べすぎは「サーチュイン遺伝子(長寿遺伝子)」の働きを抑制する。
・新陳代謝は細胞分裂によってなされるが回数には限界がある。この回数を増やして新陳代謝を活発にして老化を抑えるのがサーチュイン遺伝子である。新陳代謝ができなくなった老化細胞は、炎症を促進するサイトカインなどの物質を分泌し、慢性炎症の原因になる。なお、サーチュイン遺伝子には慢性炎症を改善する働きもあると考えられている。
・サーチュイン遺伝子は通常、スイッチはオフになっている。スイッチをオンにするには、①カロリーを摂りすぎない、②空腹を感じる時間を作る 必要がある。それには、一食一食を「腹八分目」やめることが大切であり、合わせてゆっくりよく噛んで食べることが重要である。早食いはやめなければならない。
●炎症ゼロ習慣2…「1日のうち12時間」は何も食べない
・「お腹が空いた」と感じる時間を作ることが大切。「お腹は空いていないけどお昼の時間だから」という理由で、無理に食べる必要はない。1日3食にこだわる必要もない。
・1日のうち、12~16時間食事を摂らない時間を作るとサーチュイン遺伝子が活性化すると言われている。
・食事の時間は自分の体に合わせるのがベスト。できるだけ空腹を感じてから食べると良い。ただし、栄養不足は避けなければならず、特に高齢者は注意が必要。たんぱく質やビタミン・ミネラルが不足しないようにする。
●炎症ゼロ習慣3…食事ひとくちで「30回噛む」
・「よく噛んで食べる」という習慣は、慢性炎症の予防や改善にも有効である。
・噛むという行為は刺激を脳に伝える。脳は反射的に唾液を分泌する。
・唾液には体のサビ(活性酸素)を除去する働きがある。これは唾液には抗酸化作用のあるラクトペルオキシダーゼという酵素が含まれているためである。さらに抗ウィルス・抗菌作用をもつ物質も含まれている。
・歯周病菌の増殖を抑制するラクトフェリンとラクトペルオキシダーゼは、多くの病原菌への抗菌作用、抗炎症作用などがあると言われている。
・様々な健康効果をもつ唾液だが、20代をピークに分泌量は徐々に減少する。そのため、高齢になったら、意識的に唾液を分泌させるようにすると良い。よく噛むということそのためである。コツはひとくちの量を少なめにすることである。結果的に食事の時間はながくなる。
画像出展:「唾液中の抗菌物質(Dental Note)」
唾液パワーの凄さに驚きます。
●炎症ゼロ習慣4…「やわらかい食べもの」が肥満のもとになる
・満腹中枢を刺激する「レプチン」というホルモンは、食事を始めてから約20分後なので、早食いの人は満腹を感じる前に必要以上の量を食べてしまう恐れがある。
●炎症ゼロ習慣5…「ごはんは最後」を心がける
・「ベジファースト」は食物繊維が多く糖質は少なめの野菜から食べることにより、糖質の吸収を抑えることを狙っている。一方、最近浸透し始めているのは、「ミートファースト」「プロテインファースト」である。これはたんぱく質から食べると、インクレチンというホルモンが分泌されて胃の働きが緩やかになり、糖質の吸収がゆっくりになる。いずれも血糖値の急激な上昇を抑える効果がある。重要なことは糖質を最後に食べるという習慣である。また、早食いをしてしまっては順番の工夫による効果は相殺されてしまう。
●炎症ゼロ習慣6…間食は「噛むおやつ」で決まり!
・リズミカルに噛むことはストレス解消にもなる。
・ナッツ類(アーモンド、クルミ、ピスタチオなど)に含まれる脂肪は「不飽和脂肪酸」といって抗炎症作用がある。塩分無添加の素焼きタイプが望ましい。
●炎症ゼロ習慣7…「小麦粉」が腸を傷つける
・小麦粉などに含まれている「グルテン」というたんぱく質をスムーズに消化できない「グルテン不耐性」の人や、過敏に反応してしまう「グルテン過敏症」の人は、グルテンを摂り続けていると腸に慢性炎症を発症する場合がある。
・日本人の8割はグルテンに合わない体質と言われている。
画像出展:「グルテンとの上手な付き合い方(Metagenics)」
・グルテンは麦加工食品に含まれ、味ではなく食感(麺のしこしこ、つるつる、コシや歯ごたえ、パンのふわふわなど)を提供します。また、グルテンは麦類が持つ2 種類のたんぱく質が水分に触れた時にペプチド結合して作られます。
●炎症ゼロ習慣8…「牛乳」が健康によいとは限らない
・牛乳が慢性炎症を引き起こしやすいとされているのは、牛乳に含まれている「カゼイン」というたんぱく質である。カゼインは消化されにくく、小腸に留まる時間が長くなるため、腸に負担がかかり炎症を起こすと考えられている。
・牛乳にはカルシウムが豊富なので、カルシウムを別の食材で摂る必要があるが、大豆製品、小魚、海藻類、緑黄野菜などでカルシウムを摂ることはできる。
●炎症ゼロ習慣9…腸から元気になる「骨スープ」
・腸に悪い食べ物やストレスなどが原因で腸管の粘膜が炎症を起こし、腸から炎症を誘発する物質(細菌、ウィルス、たんぱく質など)が漏れ出す状態を「リーキーガット症候群」と呼ぶ。
●炎症ゼロ習慣10…すぐに「甘い」と感じるものは避ける
・糖質の中でも砂糖は吸収されやすく血糖値をすばやく上昇させるため、慢性炎症の大きな原因になる。
・果糖はブドウ糖を含まないので血糖値を急激に上げることはないが、砂糖以上に中性脂肪や内臓脂肪を増やすとされている。果糖は果物以外では蜂蜜などに多く含まれている。
●炎症ゼロ習慣11…ビタミンのために「くだもの」を食べすぎない
・果物の適量は、1日約80kcal分と言われている。リンゴなら1/2個(150g)、バナナなら1本(100g)、ミカンなら2個(200g)が約80kaclである。また、朝食後のデザートがベストである。
●炎症ゼロ習慣12…「低GIフード」で血糖値をおだやかに
・GI値とはグリセミック・インデックスの略で、食後血糖値の上昇度を示す指数のこと。
画像出展:「炭水化物は敵ではない?上手に炭水化物を取り入れましょう(九州大学病院 総合診療科 疫学研究公式サイト)」
『「血糖値を上げたくないから主食を摂らない」「ご飯は太るから食べない」という声をよく耳にします。確かにご飯やパンなどの主食に含まれている炭水化物はブドウ糖を多く含み、ブドウ糖は血糖値を上げやすく、溜め込まれると脂肪となるため肥満や動脈硬化の原因となってしまいます。
しかし脳は栄養の大部分をブドウ糖に頼っているため、不足すると脳の働きは悪くなり疲れやストレスが溜まりやすくなります。
そこで今回紹介するものが低GI食品です。』
●炎症ゼロ習慣13…日本型の「地中海食」は注意が必要!
・果物には多くの果糖が含まれているが、日本の果物は品質改良により、甘みが強く「糖度」が高いため、特に注意が必要である。特に注意が必要なものは、バナナ、パイナップル、メロン、スイカ、マンゴーなどである。
●炎症ゼロ習慣14…炎症の原因をお掃除する「ポリフェノール」
・抗酸化物質の代表が「ポリフェノール」である。ポリフェノールはほとんどの植物に存在する物質で、青紫色の色素成分・アントシアニン、緑茶や紅茶の苦味成分・カテキンなどがある。
・植物が紫外線や害虫などの外敵やストレスから自分自身を守るために作りだした成分で、強い抗酸化作用がある。
・手軽にポリフェノールを摂れる食品
-納豆、豆乳、豆腐など
-高カカオ(カカオ70%以上)チョコレート
-皮つきのショウガ(ポリフェノールは皮の部分に多く含まれる)
-赤ワイン、コーヒー、緑茶(コーヒーは1日3~4杯、緑茶は湯呑で10杯まで)
●炎症ゼロ習慣15…健康スパイスの王様「ターメリック」
・ターメリックの別名はウコンである。カレーの黄色の色素成分の「クルクミン」がポリフェノールの一種であり、活性酸素の除去、抗炎症作用がある。
・ターメリックにはクルクミン以外に、強い抗炎症作用があるターメロールという成分もある。
・ターメリックは手軽に手に入る調味料(スパイス)なので、カレー以外の料理にも活用すると良い。炒め物やスープ、揚げ物の衣に加えたりしても良い。ただし、入れすぎると苦味が強くなる。また、ウコン茶で摂るのも手軽である。
●炎症ゼロ習慣16…毎日「発酵したもの」を取り入れる
・ヨーグルト、キムチなど発酵食品は腸内細菌だけでなく、抗炎症にも優れてる。納豆などの大豆発酵食品はポリアミンという抗炎症作用の物質を含んでいる。これは炎症を引き起こすサイトカインの産生を抑える働きによる。ポリアミンは大腸の中で腸内細菌によっても作られるが、ポリアミンの量は年齢によって減少する。
●炎症ゼロ習慣17…「青魚の脂」は健康なアブラ
・青魚の脂の不飽和脂肪酸のオメガ3系脂肪酸のなかで、健康効果が高いのはEPAやDHAである。青魚とはサバ、イワシ、サンマ、マグロなどであるが、これらは生の魚ではなく缶詰を利用することもできる。