第3章 「呼吸」で炎症ゼロ
●炎症ゼロ習慣18…万病を招く「口呼吸」をしない
・口呼吸の問題は体の防御機能が期待できないことである。鼻は「空気清浄機」の役割を果たしている。さらに、加温・加湿の機能も備えている。
●炎症ゼロ習慣19…「落ちベロ」を正しい位置に戻す
・舌の正しい位置は「舌が上顎にくっついている状態」である。
●炎症ゼロ習慣20…「あいうべ体操」で舌を鍛える
・舌の老化は舌の筋肉トレーニングを行うことで筋力をアップさせることができる。
●炎症ゼロ習慣21…「鼻うがい」でフィルター効果アップ!
・空気清浄機同様、体内に取り入れる空気をきれいにする役割の鼻も毎日のケアが必要である。
・慢性炎症を防ぐために有効なのが「鼻うがい」である。特に、上咽頭の汚れや有害物質を洗い流すのが狙いである。
動画(3分9秒):「鼻うがいの方法をご紹介(報謝会)」
こちらの動画では、鼻うがいは1日2回までとのことです。
●炎症ゼロ習慣22…「お口の体操」で飲み込み機能アップ
・誤嚥は舌や喉の筋力の低下や反射神経が衰えたりして、ものを飲み込む機能が老化するために起こる。
画像出展:「家庭でできる嚥下体操(あいーと)」
ホームページに紹介されている体操は5つあります。
●炎症ゼロ習慣23…見えない炎症を防ぐ「正しい歯みがき」
・「正しい歯みがき」は口の中にプラーク(歯垢)を残さないこと。歯ブラシを歯や歯肉にしっかり当て、デンタルフロスや歯間ブラシも利用する。歯磨きは毎食後に行うことがベストだが、最低でも1日1回、すみずみまで磨くことを習慣にすることが大切。これは、プラークは食後24~48時間で形成されるからである。
●炎症ゼロ習慣24…生活する場所の「空気」に注意
・ダニの死骸やカビなどのハウスダストも、呼吸器の病気やアレルギーなどの原因になるので、部屋をまめに掃除したり、空気清浄機を使ったりして、室内の空気の質を向上するように心がける。
第4章 「運動」で炎症ゼロ
●炎症ゼロ習慣25…運動は最高の「抗炎症薬」
・運動は様々な病気の予防・改善に役立つ。その理由の一つに、運動の「抗炎症効果」がある。
・がんは慢性炎症と関係しているが、運動によって発症リスク(特に大腸がんや乳がん)が抑えられる。
・適度な運動をすると筋肉から若返りホルモンとも言われ、炎症作用を抑える「マイオカイン」という物質が出る。マイオカインは筋肉が出す物質の総称で、300種類以上ある。その一つが「インターロイキン6(IL-6)」である。
・IL-6は炎症を促進する働きがあるが、適度な運動によって筋肉から放出される時は、免疫の過剰な反応を抑え慢性炎症を改善する効果もある。つまり、運動の有り無しによって炎症を促進することもあれば、炎症を抑制することもある。
画像出展:「無理せずできる“若返り”筋トレ 「体と脳を活性」(NHK)」
『筋肉には体を動かしたり支えたりする以外に、ホルモンを分泌する働きがあります。それが「マイオカイン」です。マイオカインは現在30種類以上発見されていますが、そのひとつ「イリシン」は血流に乗って脳に運ばれると、神経細胞を活性化する物質を分泌すると考えられています。』
注)特に中高年になったら激しい運動はマイナス(活性酸素が増大/脱水にも注意)です。有酸素運動がお勧めです。
●炎症ゼロ習慣26…「座りすぎ」が寿命を縮める
・日本人は「世界一、座っている時間が長い」。1日7時間である。
・「座りすぎ」は寿命を短くする。30分座ったら3~5分歩いたり、ストレッチをしたりして体を動かすよう心掛けると良い。
・最近では立ったままデスクワークできるスタンディングデスクが流行している。
●炎症ゼロ習慣27…「グリーンエクササイズ」で効果倍増!
・グリーンエクササイズとは、自然の多い場所で体を動かすことである。運動はどんなものでも良い。
●炎症ゼロ習慣28…短時間で効果絶大の「ゆるHIIT」
・「HIIT」は4分間、20秒の運動と10秒の休憩を8回繰り返す。
・トレーニングの組み合わせによって「有酸素運動」と「筋トレ」両方の効果が得られる。
・高強度のトレーニングを繰り返すことで、効率的にミトコンドリアの量や質を高められる。
・HIITでミトコンドリアが増えて、機能がアップすれば、疲れにくい体、やせやすく太りにくい体になり、活性酸素の発生も抑えられる。
画像出展:「1日たった4分の若返りトレーニング50代から始めたい、「ゆるHIIT」
こちらはみらいクリニックの今井一彰先生の寄稿で、動画もアップされています。
●炎症ゼロ習慣29…ふつうの散歩より効果の高い「インターバル速歩」
・インターバル速歩は3分間の「速歩き」と3分間の「ゆっくり歩き」を1セットとして、5セット(30分間)続ける。週4日以上を目標にする。
●炎症ゼロ習慣30…筋トレの王様「スクワット」を取り入れる
・スクワットは大腿四頭筋を含め、体の筋肉の大半がある下半身の筋肉をまんべんなく鍛えることができる。回数は自分がきついと感じるまでが目安。
第5章 「睡眠」で炎症ゼロ
●炎症ゼロ習慣31…「睡眠不足」こそが万病のもと
・睡眠不足は有害物質を蓄積させ、様々な不調や病気につながる。
・アルツハイマー型認知症の原因たんぱく質の「アミロイドβ」は睡眠不足になると脳に蓄積して炎症を引き起こす。
・睡眠不足は血糖値を上げ、ストレスを高め太りやすくする。
●炎症ゼロ習慣32…「7時間睡眠」が体を強くする
・短時間の睡眠の問題には、「レム睡眠」の不足がある。レム睡眠は日中に得られた情報の整理や記憶への定着を行っている。
●炎症ゼロ習慣33…毎日15~20分の「パワーナップ」で脳をリセット
・15分ほどの仮眠のことを「パワーナップ」という。昼寝には脳の疲れをとってその機能を回復させる効果があると考えられている。昼寝は15~20分。15時以内に済ませるようにする。横になると深く寝入ってしまうおそれがあるので、椅子に座りリラックスできる姿勢が良い。
●炎症ゼロ習慣34…「香り」が眠りの深さを決める
・嗅覚の情報は他の感覚と異なり大脳皮質を経由せず、直接、大脳辺縁系や視床下部へと伝えられる。そのため、リラックス効果の高い香りのエッセンシャルオイルを使えば、気持ちを穏やかにして眠気を誘ったり、副交感神経を高めて心身をリラックスさせたりすることができる。
●炎症ゼロ習慣35…「雑音」が安眠を誘う
・「ホワイトノイズ」とは安眠効果のある雑音で、人間の耳に聞こえるすべての周波数帯域の音が均等に混ざっている雑音のことである。
動画(29分5秒):「眠れない夜に聴く432hzとホワイトノイズの癒しの曲(Calm Weves Channel)」
こちらは「ホワイトノイズ」だけではありませんが、いかにも眠くなりそうな音色です。
●炎症ゼロ習慣36…悪夢を見せる犯人は「靴下」?
・靴下を履いたまま布団に入るのは睡眠の質を下げることもある。これは睡眠には深部体温を下げる必要があり、眠くなると手足が温かくなるのは放熱のためである。電気毛布や湯たんぽなども同じ理由で睡眠の妨げになるので寝る前だけにした方が良い。
・お勧めはレッグウォーマーである。足元が温かく感じるが放熱を妨げることはない。
●炎症ゼロ習慣37…「スマホ」は寝室に置かない
・夜、寝る前にスマホを使うと、体内時計が狂ってしまうためである。
・ブルーライトは紫外線についで波長が短く、目の奥の網膜にまで届く強い光である。また、睡眠・覚醒のリズムを整えるメラトニンの分泌量を抑制する。これは、強いブルーライトの光によって「まだ昼間だ」と勘違いしてしまうためである。
・睡眠のリズムのためには、寝る前の2時間はスマホやPCは使わないようにする。
●炎症ゼロ習慣38…「マウステープ」で睡眠の質がアップ
・仰向けで口を開けた状態で寝ていると、舌が喉の方に落ち、さらに舌の筋肉の緊張が緩むため気道を圧迫する。これにより、いびきが出たり無呼吸状態となったりするため、睡眠の質は低下する。
・マウステープは皮膚にやさしい医療用テープや専用テープを利用する。
●炎症ゼロ習慣39…どうしても眠れないなら「やさしい睡眠薬」
・睡眠の件は、まずは医師に相談するのが良いが、オレキシン受容体拮抗薬(商品名:ベルソムラ、デエビゴ)という新しい薬は副作用や依存症の問題が少ない。