今まで、「プロジェクト計画書」、「非営利型一般社団法人」、「定款作成物語」というブログをアップしてきました。これらは我が母校である、埼玉県立浦和西高校サッカー部OB会を法人化するために必要なことでした。
法人化により法人口座をもち、契約できるようになりました。そして、任意団体は法人格の団体となり、社会的信用は確実に高まりました。
何故、法人化したのか、これはサッカー部のOBが主体となって、寄付を募り、その資金で土のグラウンドを人工芝のグラウンドに替えるためです。募金の目標金額は5,500万円です。
なお、法人成立は2022年8月、社名は「一般社団法人UNSS」、UNSSは「浦和西高スポーツサポーターズクラブ」の略称です。
ご興味あればのぞいてみてください。
一社(一般社団法人)の立ち上げは完了しましたが、会社のルールブックである定款を補完するための「運営管理規程」の整備が残っていました。この難題は、定款作成を進めてきた私の仕事になりました。これには違和感はないものの、今まで経験したこともなく、「これは、まいったな。大ピンチ!」というところです。
とりあえず、『一般社団法人及び一般財団法人に関する法律』という法律をのぞいてみました。本則は全部で344条、一般財団法人の部分に加え、当面は不要と思われる条文もかなりありました。一方、ネットにあったさまざまな管理規程のサンプルを集めました。
この二つの方向から眺め、絞りに絞った条文を、誰がみても何とか意味が分かるような文章に修正しました。こうして、“雛形”とは言い難い、“たたき台rev0.1”は出来上がりました。
作ってはみたものの、運営管理規程策定のルールも作法もよく知らない者が作ったrev0.1のため、かなり怪しい出来上がりのような気がしました。
そこで、今更であり、順番は逆になりましたが、「やはり、少し勉強せねば」と考え、約160ページの『社内規程立案の手引き』という本を図書館から借りてきました。思いきって買ってしまいたかったのですが、定価2,400円の本は在庫がなく、中古本は5,000円以上と高額だったため、断念しました。
著者:外山秀行
発行:2019年7月
出版:中央経済社
基礎編
第1章 社内規程の意義
1 社内規程とは何か
2 社内規程にはどのような種類があるのか
3 どの会社にも必要な社内規程とは
4 社内規程は誰のため、何のためにあるのか
5 社内規程は内部統制システムとどのような関係にあるのか
6 社内規程は法律とどのような関係にあるのか
第2章 社内規程の体系
7 社内規程の体系とは何か
8 社内規程の体系はどこで定められているのか
9 社内規程の体系はなぜ重要なのか
10 社内規程の体系が形骸化する事態とは
11 社内規程の体系と法体系の共通点と相違点は何か
第3章 社内規程の構造
12 社内規程の立案に当たって必要な構造的理解とは
13 社内規程は同列の社内規程とどのような関係にあるのか
14 社内規程は上下の社内規程とどのような関係にあるのか
15 個々の社内規程はどのように構成されているのか
16 社内規程の条文はどのように表記されているのか
第4章 社内規程の効力
17 社内規程の効力はいつから生じるのか
18 社内規程の効力は誰に対して生じるのか
19 社内規程の効力が否定される場合とは
20 社内規程の効力は子会社にも及ぶのかのか
実践編
第1章 社内規程の運営
1 社内規程の整備・運用はどのように行うべきか
2 社内規程の実効的な運用のために必要なことは何か
3 社内規程の立案について心掛けるべきことは何か
4 社内規程の審査について心掛けるべきことは何か
5 内部統制システムの関係者は社内規程にどう向き合うべきか
第2章 立案の方式及び留意点
6 社内規程の制定、改定及び廃止はどのような方式で行なえばよいのか
7 新規の規程を制定する場合、特に留意すべきことは何か
8 規程のレベル選択を間違いやすいのはなぜか
9 規程のレベル選択の間違いを是正する方法とは
10 現行の規程を改定する場合、特に留意すべきことは何か
11 規程の立案に際して手続面で履行すべきことは何か
第3章 規程全体の書き方
12 社内規程の構成は法律とどこが違うのか
13 社内規程の題名を付ける際に留意すべきことは何か
14 社内規程の本則には条文をどのように配列すべきか
15 章の区分について留意すべきことは何か
16 目次について留意すべきことは何か
17 社内規程の附則にはどのようなことを規定すればよいのか
第4章 条文の書き方
18 条文の書き方について一般的に留意すべきことは何か
19 条文に見出しを付ける際に留意すべきことは何か
20 枝番号の条文を置くことは許されるのか
21 条文に複数の項を置く場合に留意すべきことは何か
22 項中のただし書はどのように書けばよいのか
23 項中の後段にはどのようなものがあるのか
24 号の使用について留意すべきことは何か
25 表とはどのようなものか
26 別表とはどのようなものか
27 目的規定はどのように書けばよいのか
28 定義規定はどのように書けばよいのか
29 条項の引用はどのように書けばよいのか
30 他の条項にある事項を引用するときの書き方とは
31 条項の準用とは何か
32 条文を読みやすくするための工夫とは
第5章 用字
33 条文中の漢字の使用にはどのようなルールがあるのか
34 副詞や接続詞は漢字を使って書くのか
35 送り仮名の付け方にはどのようなルールがあるのか
36 句読点の使い方にはどのようなルールがあるのか
37 外来語を使うときに留意すべきことは何か
38 数字を使うときに留意すべきことは何か
39 括弧などの記号はどのようなときに使えばよいのか
第6章 用語
40 条文中の語句の使用について留意すべきことは何か
41 語句を並べるときはどのように表現するのか
42 「又は」「若しくは」は、どう使い分けるのか
43 「及び」「並びに」は、どう使い分けるのか
44 「その他」と「その他の」は、どう違うのか
45 「とする」は、どのような場合に使うのか
46 「による」は、どのような場合に使うのか
47 「ものとする」は、どのような場合に使うのか
48 「しなければならない」は、どのような場合に使うのか
49 「してはいけない」は、どのような場合に使うのか
50 「することはできない」は、どのような場合に使うのか
51 「することができる」は、どのような場合に使うのか
52 「要しない」「妨げない」は、どのような場合に使うのか
53 「置く」「行う」などで結語するのは、どのような場合か
54 「みなす」と「推定する」は、どう違うのか
55 「場合」「とき」は、どう使い分けるのか
56 「もの」には、どのような使い方があるのか
57 「含む」「除く」「限る」には、どのような使い方があるのか
58 「等」は、どのように使えばよいのか
59 「この」「その」「当該」は、どのように使えばよいのか
60 「直ちに」「速やかに」「遅滞なく」は、どう違うのか
ブログは基礎編と実践編の第3章までです。
基礎編
第1章 社内規程の意義
1 社内規程とは何か
・「社内規程とは、社内で制定され、社内に適用される規定である。」
・個々の条項の定めを指すときは「規定」といい、一連の条項の総体としての定めを指すときは「規程」という。
1)制定と適用
・制定:権限のある機関が所定の手続きによって法令としての案文を確定し、これを法令として定立する行為。
・施行:制定された法令の規定の効力を一般的に発動し、作用させること。
・適用:施行された法令の規定の効力を個別具体の事象に対して発動し、作用させること。
2 社内規程にはどのような種類があるのか
1)分野別の種類
画像出展:「社内規程立案の手引き」
・定款と規程等管理規程は、会社経営や社内規程の全体をカバーする基本的な重要事項を規定するものであり、個別分野には限定されない「スーパー社内規程」なので、上記の分類表には入っていない。
2)階層別の種類
・定款-規程-規則-細則-要領
3 どの会社にも必要な社内規程とは
1)組織関係規定
・定款
・社内規程
2)人事関係規定
・人事関係の分野では、労働基準法の規定により、一定規模以上の会社は就業規則を作成しなければならないことになっている。
・労働法との関連では、育児・介護休業法や労働安全衛生法の規定を実施するため、社内の体制や手続を定める規定が必要となる。
3)コンプライアンス関係規定
・コンプライアンスの分野では、金融商品取引法や個人情報保護法などの規則法が定めている義務を社内で確実に履行するために、内部者取引防止規程、個人情報保護規程などの社内規程を制定することが必要になる。
4 社内規程は誰のため、何のためにあるのか
・社内規程は、会社と役職員のため、会社経営の適正を確保するためにある。
1)総体としての社内規程の意義
(1)社内規程は誰のためにあるのか
・社内規程は会社と役職員のためにある。
・「役職員のためにある」とは、会社の業務を担う役員と職員が社内規程によって責任と権能を与えられていることを意味する。
(2)社内規程は何のためにあるのか
・社内規程は、会社経営の適正を確保するためにある。
・「会社経営の適正」というのは、会社の経営が会社法、労働法、金融商品取引法などの関係法に従って適正に行われる。ということを意味している。
・会社が関係法の適正な履行を確保するためには、関係法の受け皿としての内規を制定し、法的基盤を構築する必要がある。社内規程は、そのような内規の役割を担っている。
2)個々の社内規程の意義
(1)組織関係規程
①取締役会規程と経営会議規程
・役員を適用対象とし、会の運営を適切に行うための準則、指針としての意義を持っている。
②組織規程
・会社全体と各組織の構成員を適用対象とし、会社業務の責任分担と効率的な業務運営の体制を確立する意義を持っている。
(2)人事関係規程
①就業規則と給与規則
②育児・介護休業規則
(3)業務関係規程:経理規程、情報システム管理規程、営業管理規程
(4)コンプライアンス関係規程
①内部者取引防止規程、会社情報開示規程、個人情報保護規程
②内部通報規程
5 社内規程は内部統制システムとどのような関係にあるのか
1)内部統制システムという概念
・内部統制システムという概念は、会社法の定めに由来するものである。
・「会社の業務の適正を確保するために必要な体制」
2)内部統制システムに関する法令の規定
・会社法では、内部統制システムについて、取締役会が自ら決定しなければならない事項であると定めている。
3)社内規程と内部統制システムとの関係
・会社はこのような法令の趣旨を踏まえ、組織、人事、業務、コンプライアンスの各分野で、適切な関係規程を制定し、運用することが求められる。会社の社内規程は、内部統制システムがどのように整備されているかという姿を映し出す鏡であるといっても過言ではない。
6 社内規程は法律とどのような関係にあるのか
1)法律の規定に由来する社内規程
(1)制定義務の履行
・社内規程の中には、法律によって制定が義務付けられているものがある。代表的なものは以下の通り。
-規程名:定款
-根拠条文:会社法第26条
(2)法定機関の設置
・組織関係規程の中には、法律が定める機関を設置するために必要なものがある。
(3)法制度の確実な履行
・人事やコンプライアンス関係規程の中には、法律が定める制度を確実に履行するために必要なものがある。代表的なものは以下の通り。
-制度名:個人情報保護制度
-根拠法:個人情報保護法
-規程名:個人情報保護規程
2)法律に準拠した表記
・社内規程は、成分の規範である点で法律と共通しているので、その表記も基本的には法律における表記のルールに準拠している。
(1)基本構造
①規程の全体は、題名、本則、附則という要素で構成する。
②本則には、総則的な条文、実体的な条文、雑則的な条文という順序で条文を配列する。
(2)条文表記
①各条文には、第1条から順次、「第○条」という条名を表記する。
②各条文には、冒頭に括弧書きで見出しを付ける。
③文章としての条文は、必要に応じて、「項」に分ける。
④条文の文章は、法令用語を適切に使って、規範らしく書く。
第2章 社内規程の体系
7 社内規程の体系とは何か
・社内規程は全体として統一的な秩序を保持するよう、上下の階層構造が設定され、上位の規程が下位の規程に優先するという原理が定められている。
1)上下の階層構造とは
(1)階層構造の全体像
・規程の名称:定款-規程-規則-細則-要領
(2)階層構造の基本思想
・「より重要な事項は、より権限の大きい機関が決定すべきである。」という思想に基づくものである。
2)上位規程優先の原理とは
・上位にある社内規程は常に下位の社内規程に優先する効力をもつよう定められている。
3)社内規程の秩序との関係
・社内規程の体系は、社内規程の秩序を保持する重要な仕組みとなっており、立案関係者に対する警告としての意義も持っている。
8 社内規程の体系はどこで定められているのか
・社内規程の体系は、「規程等管理規程」という題名の規程によって定められており、定款を除けば最も上位の階層に位置する。
1)「社内規程の体系」に直接関係する規定
(1)社内規程の種類
①定款
②規程
③規則
④細則
⑤要領
2)その他の規定
・規程等管理規程では、社内規程の管理運用に関し、法務を司る部署が規程集を整備する責任を負うとされている。
3)法体系を定める法令
・法令にも、憲法、法律、政令、省令という上下の階層構造と上位法令優先の原理を骨子とする法体系があるが、規程等管理規程に相当する法令は、今のところ存在しない。
9 社内規程の体系はなぜ重要なのか
1)社内規程の体系
・社内規程は上下の階層構造から成り立っており、下位の規程が上位の規程を覆すことは許されない。
2)企業経営の規律
・企業経営の規律には、経営に対する規律と経営における規律という二つの概念がある。
3)社内規程の体系の役割
(1)経営に対する規律との関係
・社内規程の体系が定款を最上位の規程としていることは、経営に対する規律を保証する役割を果たしている。
(2)経営における規律との関係
・社内規程の体系では取締役会を制定・改廃権者とする規程が定款の次に位置づけられていることが重要である。
・取締役会は次に掲げる株式会社の場合においては設置しなければならない。
-公開会社
-監査役会設置会社
-監査等委員会設置会社
-指名委員会等設置会社
10 社内規程の体系が形骸化する事態とは
・社内規程の全体を規律する「規程等管理規程」の下位になる個々の社内規程は、それぞれの規程事項を所管する各部局の担当者によって立案され、運用される仕組みになっている。このため担当者によって尊守する意識にばらつきがあるため、「社内規程の体系」が形骸化するリスクがある。
1)形骸化する事態
・形骸化とは、本来上位の規程が定めるべき事項を下位の規程が定め、これを事実上施行してしまうことである。
2)形骸化する原因
・担当部署以外からの是正する力が働かないと、形骸化するリスクは避けされない。
3)是正策
・上位の規程に対し、全てが規程に反している場合は廃止、一部の場合は当該条項を削除する。
4)予防策
・社内規程の立案に携わる者が日頃から社内規程の体系について十分に認識することができるように定期的に研修等を行う必要がある。
11 社内規程の体系と法体系の共通点と相違点は何か
・社内規程と法体系の共通点と相違点を理解しておくことは有用である。
1)共通点
(1)階層構造の存在
・個々の規範は全て階層構造に置かれている。
(2)上位規範優先の原理
・上位にある規範が常に下位の規範に優先する効力をもつ。
2)相違点
(1)体系を定めた包括的な規範
・社内規程の体系には定款に続く、規程管理規程があるが、法令には存在しない。
(2)下位の規範の独自性
・下位の規程は内容が上位の規程に反しない限り、上位の規程からの委任は必要とせず、制定することができる。一方、政令、省令(行政立法)は、法律を補完する必要がある場合のみ制定される。
(3)規範の効力を裁定する機関
・下位の法令の条項が上位の法令に違反した場合、裁判所が裁定するが、社内規程では裁定するような機関は存在しない。
第3章 社内規程の構造
12 社内規程の立案に当たって必要な構造的理解とは
1)社内規程には、社内規程全体の基調となる構造と、個々の社内規程の条文に関する構造がある。
(1)社内規程全体の基調となる構造(=マクロ的な構造)
①事項の分担を基調とした構造(=横の構造)
・社内規程は、組織、人事、業務、コンプライアンスの各分野における規程事項を互いに分類している。
②上下の序列を基調とした構造(=縦の構造)
・社内規程は、「重要なことは上位の機関が決める」という理念に基づき、階層構造を有する。
(2)個々の社内規程の条文に関する構造(=ミクロ的な構造)
①規程全体の条文配列に関する構造
・各規程は、題名、本則、附則という要素で構成され、本則には一定の順序で条文が配列される。
②各条文の表記に関する構造
・各条文は、見出し、条名、項などの要素で構成され、条項の文章は、法令用語を用いて、「条文らしく」表記される。
2)構造と立案の関係
・規程立案には次のような点を考慮する必要がある。
(1)規程を立案する場合、同じ分野にある現行社内規程と規定事項を適切に分担するには、新規制定、追加改定のうち、いずれの形式にすべきか。
(2)規程を新規に制定する場合、条文をどのように配列すべきか。
(3)規程を新規に制定する場合、条文をどのように配列すべきか。また、条文を追加する改定を行う場合、本則のどこに追加するのが適切か。
(4)条文を作成する場合、見出しの表現、条項の分け方、文章中の用語などをどのようにすれば「条文らしい」表記となるか。
13 社内規程は同列の社内規程とどのような関係にあるのか
1)組織関係の規程
・取締役会を掲げる株式会社においては、取締役会を制定権者とする同列の規程として、組織規程、職務権限規程、及び取締役会規程という規程がある。
2)人事関係の規則
・具体例として、就業規則、給与規則、退職手当規則などがある。これらは、いずれも経営会議が制定権者となっている同列の規程である。
14 社内規程は上下の社内規程とどのような関係にあるのか
・階層構造は「重要なことは上位の機関が決める」という思想に基づくものである。
1)組織関係規程
・会社にどのような組織を置き、職務権限をどのように配分するかということは、会社の基本的な経営体制に関わる最重要事項である。組織と職務権限はそれぞれが等しく重要と考えられるので、その基本を「組織規程」と「職務権限規程」で先ず定めることが必要になる。
2)人事関係規程
・従業員の就業条件に関する重要事項は、労働基準法に基づき就業規則で定めなければならない。
15 個々の社内規程はどのように構成されているのか
・個々の社内規程は、冒頭から末尾まで、題名、本則、附則などの要素で構成されている。このうち最も重要な要素は本則であり、条文を本則にどのように配列するかは、立案事務の基礎として重要である。
1)社内規程の構成要素
(1)題名
・「組織規則」、「就業規則」など。
(2)目次
・社内規程の本則が章に区分されている場合には、題名と本則の間に、章の名称を示す目次が置かれることがある。
(3)本則
・規程の本体となる部分。第1条には規程の目的が、最終条には規程の制定権者が示される。
(4)附則
・規程の本体付属する部分が「附則」として、本則の次に表示される。
・附則には、最終の改定が施行される年月日を示す条文が置かれる。
(5)履歴
・附則の次に、規程の制定と改定が施行された年月日が表示される。
(6)別表
・規程の中には、複雑な内容を分かりやすく示すために、本来は本則で規定すべき事項の一部分を末尾に別表として示すものがある。
2)本則への条文の配列
(1)条文全体の配列
・条文全体をその性格によって、総則的な条文、実体的な条文、雑則的な条文の三種類に分け、この順に配列する。
(2)総則的な条文の配列
・総則的な条文とは、規程全体に関わる事項を定める条文である。第1条は目的規定とし、以下、必要があれば定義規定などの条文を配列する。
(3)実体的な条文の配列
・実体的な条文とは、規程の中核となる具体的な事項を定める条文である。その配列順は、規定する事項の内容次第である。以下は一応の目安である。
①組織や権限を定める規程であれば重要性の順
②一連の手続きや業務処理を定める規程であれば行為の時系列順
(4)雑則的な条文の配列
・雑則的な条文とは、手続や細則などの事項を定める条文である。本則の最後には制定・改廃の権限と手続を定める条文を置き、他の雑則的な規定が必要であれば、その直前に配列する。
16 社内規程の条文はどのように表記されているのか
1)条文の構成要素
・見出しは第1行目に括弧書きである。
・条名は第2行目の冒頭に「第5条」という表記になる。
・この条文では二つあり、二番目の項の冒頭に「2」という項番号が付されている。
画像出展:「社内規程立案の手引き」
2)条文らしい表現
・条文は法令用語が適切に使われることによって、規範の内容が「条文らしく」なる。
・表現で最も重要なのは文章末尾の表現である。
・代表的な末尾の表現には次のようなものがある。
(1)「……とする。」
(2)「……による。」
(3)「……しなければならない。」「……することができる。」